『[Live Writing Review]2018/01/21《Zycos》at 町田ノイズ』
Kiyoshi Murakami
January 21, 2018
Machida; Zine; B5→A5; 6p.
*原文は縦書き
*原文に適宜微修正を加えた(平仮名→漢字/誤字の修正など)
■p.1(表紙はページにカウントしない)
ザイコス:第1部
シンプルでスローなインプロから形成されてゆくグルーヴ。その高揚感の上昇角度が身体に適度な刺激と安心感を与える。
インターバルの遊泳感は穏やかさと静謐さを浸透させてくる。
ディープにうねるベースとシャープなドラミングのコンビネーションはアンダーグラウンドなにおいも運んでくる。
■p.2
ツインドラムのセッションは息遣いをあわせて競技するアスリートのような、スリリングさと直接的な身体感覚を伝えてくる。尖った電子音が添える彩りは、コントラストの効いたモノクロームのようだ。
■p.3
ザイコス:第2部
第2部から〈世田谷トリオ〉の高橋佑成氏が参加。しょっぱなから速いテンポで疾走していく。
ラテン的な愉しさ。フランクなノリ。ダンス・フレンドリーな、フロア仕様ともいえる展開。パッションの充溢が完了したあとは、ボトムからせり上げていくベーシックなマナー。しかしそこにも随所に変化を加え、異和感も組み込んで作動していく。
■p.4
スペ―シーな空間性。プリミティブなリズム感。いまいる空間の領域を内から外から押し広げてゆくような流れ。一音ごとに歩が進んでゆく感覚。研ぎ澄まされた音の役割が明確になっていく。振動の力強さがたくましい。
ミニマルテクノにツインドラムのコンビネーション。音数を絞り、ユニークさと跳ねる瞬発力を並べて開示する。
一転、メロウな流れ。トワイライトな街の光が舞い降りるようなムード。徐々にフリーな、開放的な道すじを辿り、きらめく音の断片が散らばり出す。それを「回収」
■p.5
して着地。心が帰る場所を示すように。
ラスト曲“ランナー”。その名の通り、フィジカルな前進感覚を前面に出し、メンタルを鼓舞するようなかけ声が挿入される。〔陸上競技の〕トラックのコーナーを曲がるときのバランスのとりかたみたいな、リアルな、関節単位の動作性を楽しむような演奏。ゴールの充実感も。
● → 原版の画像(4点)
■2018/01/21(日)18:00~20:00 於:町田ノイズ *投げ銭制
《Zycos》
服部マサツグ(d/pad)
小森耕造(d/synth)
岩見継吾(b/synth)
ゲスト:高橋佑成(key)
https://twitter.com/machidanoise/status/952033076929904640
2018年1月21日
村上 潔[Kiyoshi Murakami]