2022年12月8日木曜日

[Review]《竹内直(ts)・蜂谷真紀(vo)》at 町田ノイズ(May 31, 2016)

2016/05/31《竹内直(ts)・蜂谷真紀(vo)》at 町田ノイズ[1]:前半のハイライトは長尺曲の“竜骨(キール)”。じっくりと、深層的な奥行きのある時間軸が構成されていく過程。生み出す主体はミニマムな楽器と声。その二人の織りなす関係性の密度が、この曲の世界観を体現する。

2016/05/31《竹内直(ts)・蜂谷真紀(vo)》at 町田ノイズ[2]:後半で印象的だったのは“The Travel with the Dead Man”。荒野を旅する孤独と郷愁が、一気に心を浸してくる。その感触は、深煎りの珈琲を喉に通したときの滑らかな苦みと甘さのよう。

2016/05/31《竹内直(ts)・蜂谷真紀(vo)》at 町田ノイズ[3]:ラストの“きみの宝物”は、まさに声とメッセージが直線的に体にぶつかってくる感覚。しかしそれは単線のベクトルではなく、その空間にいる人から人へと絶えず乱反射していく。店の外までも。この曲の趣旨の通りに。
[2016.06.06_00:20]

2016/05/31《竹内直(ts)・蜂谷真紀(vo)》at 町田ノイズ[4]:二人の演奏は、私たちを、荒野に、都市の雑踏に、暗い地下に、空の彼方に、まだ見ぬ安住の地に、連れていく。と同時に、この町田の4階建てビルの隅っこに身を寄せ合っていることがいかに素敵なことかを気づかせる。

2016/05/31《竹内直(ts)・蜂谷真紀(vo)》at 町田ノイズ[5]:私たちはどこにでも行けるし、何者にもなれるし、時間の海を潜っていける。彼らはそう教える。だが平日の夜にこうしてノイズで出会った私たちは、ただそれだけですでにつながっている、という事実の意味も刻印する。

2016/05/31《竹内直(ts)・蜂谷真紀(vo)》at 町田ノイズ[6]:ライブをやるには厳しい環境のなか、シンプルな楽器の組み合わせと創意工夫で発信された二人の音・声は、外縁が拡散されつつも、コアの強度と密度は研がれ、純度の高い状態で店内を飛び交い、外へ飛び出していった。



◇kiyoshi murakami(@travelinswallow)
3か月ぶりに町田ノイズのライブ。始まる前にジャークチキンサンドとアイスコーヒーで軽めのディナー。いま休憩時間で、かぼちゃのチーズケーキとホットコーヒーを補給。ライブはもちろん、よい流れで進んでいます。
[2016年5月31日19:55 https://twitter.com/travelinswallow/status/737598338069979136]


2016/05/31(火)19:00~20:30
at 町田ノイズ

竹内直(ts)
蜂谷真紀(vo)


2016年6月6日
村上 潔[Kiyoshi Murakami]